マンション管理士は、この時代になぜ必要か?

私たち日本人は、「持ち家志向が高い」。いえ、正確に申し上げるなら、高度成長期・バルブ期の前など、「持ち家志向が高かった」時代が長く続いていました。
賃貸住宅に高い家賃を払い続け、毎月お金をドブに捨てるくらいなら、少しくらいムリをしてでもマンションなどマイホームを購入したい。そして我が家を不動産資産として持ち続けたい。そのような意識を持ち頑張ることが大人として当たり前。つい最近まで、確かにそのような時代が続いていたように思います。

このことには住宅政策に対する国の支援などもあり、特に集合住宅(マンション等)は売れに売れ続けました。その結果、いまでは日本全国でマンションの供給戸数は約500万戸を超えるようになりました。持ち家を主に、マンションで生活をしている人は1200万人を超え、国民の10人に1人がマンションで暮らす時代が到来しています。

実は私がここでお話ししたいのは「持ち家志向」うんぬんのことではありません。お伝えしたいのは、マイホーム取得について上記のような猛烈な時代があったため、今は日本全国のマンションの1/4以上が、建てられてから20年以上を経過しているという事実です。

●今後のマンション生活は「永住」が前提です

もうひとつ大時なことがあります。バブル期以前、マンションは「仮の住まい」と考えられていました。しかし近年は、事情が大きく変わってきています。マンションの持ち主(区分所有者)の多くの方は、永住を前提にマンションで暮らすように変わってきました。そして生涯住み続けることになる我が家には、安全・快適に維持するためには、相応のメンテナンス(定期修繕・大規模改善など)が必要になります。
マンションが新しいうちはそれほど手を施す必要がなくても(気にする必要がなくても)、築年数を経るごとに、そこには真剣な話し合いをした上での対処が必要になるということです。

近い将来に必ずやってくるそうした日本のマンション事情に対処するために、2001年、国土交通省は、「マンション管理に関する適正化に関する指針」を定め、同時に、国家資格としてマンション管理士をつくりました。

申し上げるまでもマンションは、一棟のなかに20世帯~100世帯が一緒に暮らす集合住宅です。その維持・管理の運営については、マンション管理組合(区分所有者)の方々の合議・合意が必要になります。
どんな事でも、多くの人々の意見をひとつにまとめることは大変なことです。「町内会で10月の第3日曜日に福祉バザールを開催するかしないか」。失礼かもしれませんが、そんなことを決めるにしても10人、20人の意見をひとつにするのは大変な作業です。ましてマイホームのことで、多くのお金が関係する決め事となると、全体の総意をはかることがいかに大変なことであるかは想像に難くないでしょう。
マンション管理士は、大前提として、そのような課題に応えるマンション管理の専門家として作り出された資格です。