マンション管理士は、リーダーとして全体をまとめる人

冒頭蛇足になるかもしれませんが、マンション管理士について調べ始められたばかりのみなさんに、ひとつ整理をしておきたいことがあります。
マンション管理士は、いわゆる「管理人さん」とは異なります。マンション管理士は専門的な知識を持って、マンションで生じるさまざまなトラブルに、管理組合からの相談を受け応えるのが役割です。いわゆる「管理人さん」は、一般的には管理会社から派遣されて、建物の日常清掃や設備の点検を行う人のことです。それに対してマンション管理士は、マンション管理組合と「顧問契約」を結び、管理組合から報酬を得て、さまざまな問題解決に向き合います。

管理組合費にもとづいた定期修繕について、必要であれば大規模修繕などの提案・実施も中心人物として行い、マンションでの暮らしをハード面からサポートすることが、マンション管理士の大きな役割のひとつです。また建物の維持・管理だけではなく、ペットの問題や騒音・ゴミ問題などさまざまなトラブルを処理・防止するよう、マンション管理士はソフト面からも、マンションで暮らしている方々をサポートします。
一般的には、概ね以下の業務がマンション管理士の守備範囲になります。

<管理組合の運営補助>

・マンションにかかわる相談への指導、助言
・総会、理事会などの運営
・管理費、修繕積立金の会計監査
・空き駐車場などの共有部分の有効活用
・管理費などの滞納者に対する対応
・予算案の作成、改定案の作成
・管理組合広報代行(インターネット活用)など

<管理規約の立案と改正>

・管理規約、使用細則の原案の作成
・現行管理規約の見直し

<マンション管理会社への対応>

・管理会社の業務監査
・現行管理委託契約の見直し
・管理委託会社の選定や変更

<修繕対応>

・長期修繕計画作成の補助
・大規模修繕工事推進の補助
・上記に対する勉強会の開催

<住民間のトラブル対応>

・ペット問題
・騒音問題
・駐車場問題
・漏水問題

こうやって書き出してみると、マンション管理士の役割は、雑然として広くて大変な仕事、という印象を受けられるかもしれません。しかし役割として本質的なことは、マンション管理組合の代表者(理事)が集まる理事会への参加を通じ、そのマンションが抱えている課題を包括的にとらえ解決へと導くことです。理事会(もしくは総会)で話し合われる議題を検討し、会では自らもコンサルタントして精力的に提案もします。それに紐づき管理規約を見直したり、会で出されたさまざまな課題に対し、適切な解決の手を差し伸べていくのがマンション管理士なのです。

このことを解りやすくイメージするために、会社の職場というものを、ちょっと想像してほしいと思います。規律立ってまとまりのあるチームは、業績もいいですし、やっかいな問題もそれほど起きないものです。一方どこか通じ合っているところが足りなくてまとまりないチームには、問題や不満がしょっちゅう噴出していると思いませんか?
そこに真のリーダーが存在しているかどうかで、その違いがあらわれてくると私は思っています。
管理組合をまとめるマンション管理士の役割にも、そのようなニュアンスのことが大きく求められていると思います。
マンションの世帯全体のまとめ役が、特にいまの時代には欠かせないのです。
だから「管理人さん」ではなく、マンション管理士が求められているのです。